悪質M&Aから、中小企業が身を守るためにできることは?
更新日:10月14日
NHK NEWS WEB(2024年9月30日 18時07分)
東京新聞 TOKYO WEB(2024年5月3日 06時00分)
中小企業の経営者の皆様、こんにちは。中小企業診断士の深谷です。今回は、近年増加している"悪質M&A"から身を守るための方法について、わかりやすくお伝えしていきます。
〈目次〉
悪質M&Aの実態
まず、悪質M&Aの実態について理解しましょう。経営者の高齢化が進み、多くの中小企業が後継者不足に直面する中、M&Aによって事業の存続を図る動きが広がっています。しかし、この状況に付け込む悪質な事業者も現れています。
悪質M&Aの典型的な手口
・後継者のいない企業に買収を持ちかける
↓
・資産を譲渡させた後、事業を放置する
↓
・借金をそのまま負わせる
↓
・結果として、売り手側の企業が廃業に追い込まれる
このような事態を受けて、中小企業庁もM&Aに関するガイドラインを改訂し、注意を呼びかけています。
経済産業省ニュースリリース(2024年8月30日)
悪質M&Aから身を守るための5つのポイント
では、具体的にどのように身を守ればよいのでしょうか。以下の5つのポイントを押さえておきましょう。
①デューデリジェンスを徹底する
デューデリジェンスとは、相手企業に対する事前調査のことです。リスクや企業価値を算出することが目的で、M&Aにおいて必要不可欠な手続きです。
デューデリジェンスのポイント
- 専門家の協力を得る
- 調査の範囲を明確にする
- 想定外のリスクを洗い出す
②信頼できるM&Aアドバイザーを選ぶ
M&Aの成功には、適切なアドバイザーの選択が重要です。以下のポイントを参考に、信頼できるアドバイザーを見つけましょう。
信頼できるM&Aアドバイザーの特徴
- 実績が豊富である
- 業界での評判が良い
- 丁寧な説明と透明性のある対応をする
- 中小企業庁のM&A支援機関として登録されている
③情報管理を徹底する
M&A交渉中の情報漏洩は、取引の失敗につながる可能性があります。社内での情報管理を徹底しましょう。
情報管理のポイント
- 関係者以外への情報共有を控える
- 機密情報の取り扱いルールを明確にする
- 従業員への教育を行う
④明確な戦略を立てる
M&Aは経営戦略の一環として考えるべきです。単に企業を買収するだけでなく、その後の事業展開まで見据えた戦略を立てましょう。
戦略立案のポイント
- 自社の強みと弱みを分析する
- 買収後の事業計画を具体的に描く
- シナジー効果を明確にする
⑤従業員とのコミュニケーションを大切にする
M&Aによる人材流出を防ぐためには、従業員とのコミュニケーションが重要です。
従業員とのコミュニケーションのポイント
- M&Aの目的と将来ビジョンを共有する
- 従業員の不安や疑問に丁寧に対応する
- 統合後の処遇について明確に説明する
悪質M&A対策チェックリスト
以上の内容を踏まえ、悪質M&A対策のチェックリストを作成しました。ぜひご活用ください。
1. ▢ デューデリジェンスの専門家を確保している
2. ▢ 信頼できるM&Aアドバイザーを選定している
3. ▢ 社内の情報管理ルールを整備している
4. ▢ M&A後の具体的な事業計画がある
5. ▢ 従業員への説明会を計画している
まとめ
悪質M&Aから身を守るためには、十分な準備と注意が必要です。デューデリジェンスの徹底、信頼できるアドバイザーの選択、情報管理の徹底、明確な戦略の立案、そして従業員とのコミュニケーションを大切にすることが重要です。
これらのポイントを押さえることで、M&Aのリスクを最小限に抑え、成功の可能性を高めることができます。
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