中小企業の未来を拓く:ポスコロ事業のすすめ
更新日:10月14日
(中小企業庁)
こんにちは。今回は、中小企業の皆様にとって非常に有益な「早期経営改善計画策定支援事業(通称:ポスコロ事業)」についてご紹介します。
〈目次〉
ポスコロ事業とは?
早期経営改善計画策定支援事業(ポスコロ事業)は、中小企業や小規模事業者が経営改善を図るための国の支援制度です。
この事業は、特に新型コロナウイルスの影響を受けた企業を対象にしており、国が認定した専門家によるコンサルティングを受けることができます。
主な目的は、資金繰りの安定や収益力の改善を図ることです。
(※この事業名の「ポスコロ」は「ポストコロナ持続的発展計画事業」の略称です)
なぜ今、経営改善計画が必要なのか?
新型コロナウイルスの影響や原材料価格の高騰など、以前として中小企業を取り巻く環境は厳しさを増しています。
このような状況下で、自社の強みを活かし、弱みを克服する具体的な計画を立てることは、企業の存続と成長にとって非常に重要です。
2024年からの新しい取り組みとして、ポスコロ事業はさらに強化されています。
特に注目すべき点は、伴走支援の強化や経営者保証解除への支援、申請手続きの簡素化です。
これにより、企業は実行段階での課題解決に向けた具体的なアドバイスを受けられます。
ポスコロ事業の特徴
1. 専門家のサポート
経験豊富な専門家(税理士や中小企業診断士など)が、あなたの会社の経営改善計画策定をサポートします。
2. 費用の補助
専門家への支払い費用の2/3を国が補助してくれます。つまり、あなたの会社の負担は1/3で済むのです。
3. 民間金融機関も対象に
一定の条件を満たせば、お取引のある銀行などの金融機関による支援も、この事業の対象となります。
※費用補助一覧
(中小企業庁ホームページ(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/saisei/04.html)より)
具体的に何をするの?
ポスコロ事業では、主に以下の3つを作成します。
1. 資金計画
今後の収支予測や必要な資金の見積もりを行います。
2. ビジネスモデル俯瞰図
自社のビジネスの全体像を図示し、強みや弱み、機会や脅威を明確にします。
3. アクションプラン
具体的に何をいつまでに行うか、実行計画を立てます。
※支援の概要
(中小企業庁ホームページ(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/saisei/04.html)より)
ポスコロ事業のメリット
1. 客観的な視点の獲得
専門家の目を通して自社を見ることで、新たな気づきが得られます。
2. 実行可能な計画の策定
専門家のアドバイスにより、より現実的で効果的な計画を立てられます。
3. 金融機関との関係強化
しっかりとした計画があることで、金融機関からの信頼が高まります。
4. 経営者の意識改革
計画策定プロセスを通じて、経営者自身の視野が広がります。
どんな企業が利用すべき?
- 売上が伸び悩んでいる企業
- 利益率が低下している企業
- 事業の方向性に迷いがある企業
- 新規事業を検討している企業
- 後継者問題を抱えている企業
つまり、ほとんどの中小企業にとって有益な制度と言えるでしょう。
利用の流れ
1.相談・事前相談書の受け取り
経営者は、認定支援機関(税理士など)と共に、金融機関に対して早期経営改善計画の適用について事前相談を行います。
この際、金融機関から「事前相談書」を取得します。この書類は、計画策定の第一歩として重要です。
2.制度の利用申請
経営者と認定支援機関は連名で「早期経営改善計画策定支援事業利用申請書」を中小企業活性化協議会に提出します。
この時、事前相談書も一緒に提出します。
3.計画策定を支援
認定支援機関は、中小企業が早期経営改善計画を策定するための支援を行います。
具体的には、ビジネスモデル俯瞰図や資金実績・計画表、損益計画、アクションプランなどを作成します。
4.計画書提出・受取書等の受け取り
作成した早期経営改善計画を金融機関に提出し、その際に金融機関から「受取書」を取得します。
この受取書は、後の手続きに必要です。
5.費用の1/3を支払
中小企業は、早期経営改善計画策定にかかる費用の1/3を認定支援機関に支払います。
これは、専門家への報酬の一部です。
6.費用の2/3を支援
中小企業活性化協議会に対して、「早期経営改善計画策定事業費用支払申請書」を提出し、受取書を添付します。
協議会は、この申請に基づいて費用の2/3を認定支援機関に支払います。
7.伴走支援
計画策定後1年以内に、認定支援機関が伴走支援を行います。
これには、進捗状況の確認や必要なアドバイスが含まれます。
また、「伴走支援報告書」を作成し、中小企業活性化協議会に提出します。
注意点
申請資格の確認
ポスコロ事業は、資金繰り管理や採算管理に取り組む必要がある中小企業向けです。
過去に同様の支援を受けた事業者は対象外となるため、事前に申請資格を確認することが重要です。
専門家への依存度
専門家のサポートを受けることができますが、経営改善の主体は企業自身です。
専門家に頼りすぎると、自社の状況に合わない計画が策定される可能性があります。
経営者自身が積極的に関与し、自社の課題を理解することが求められます。
計画の実行可能性
策定した計画は実行可能な内容でなければなりません。
具体的な数値目標や行動計画を盛り込む必要があります。
無理のない現実的な計画を立てることで、PDCAサイクルを確立し、持続的な改善につなげることができます。
モニタリングと報告義務
計画策定後にはモニタリングが求められます。
特に、伴走支援を受けた場合には、その実施状況について定期的に報告する義務があります。
このため、計画の進捗状況を把握し、必要に応じて軌道修正を行う体制を整えることが重要です。
金融機関との関係構築
ポスコロ事業では金融機関との関係構築も重要です。
計画策定時から金融機関と情報共有し、信頼関係を築くことで、今後の融資や支援を受けやすくなる可能性があります。
まとめ:ポスコロ事業を活用しよう!
ポスコロ事業は、中小企業の皆様にとって、自社の未来を見つめ直し、具体的な行動計画を立てる絶好の機会です。
専門家のサポートを受けながら、自社の強みを最大限に活かし、弱みを克服する道筋を立てることができます。
経営環境が厳しさを増す中、「何とかなるだろう」という楽観主義は危険です。
一方で、「もうどうしようもない」と悲観的になる必要もありません。
ポスコロ事業を活用し、専門家と一緒に自社の未来を切り拓いていきましょう。
皆様の企業が、この制度を活用して更なる発展を遂げられることを心より願っています。
経営の道は決して平坦ではありませんが、適切な計画と行動があれば、必ず道は開けます。
一緒に頑張りましょう!
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