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執筆者の写真ふかや経営サポート

中小企業のための事業継続力強化計画の重要性

更新日:10月14日

近年、自然災害やパンデミック、サイバー攻撃など、企業を取り巻くリスクは多様化しています。


特に中小企業は、大企業に比べてリソースが限られているため、これらのリスクに対する備えが不十分な場合が多いです。そこで重要なのが「事業継続力強化計画」です。


本記事では、中小企業の経営者に向けて、事業継続力強化計画の重要性とその策定方法について解説します。



 

〈目次〉

 

中小企業のための事業継続力強化計画の重要性


はじめに

 

事業継続力強化計画とは

事業継続力強化計画は、中小企業が自社の災害リスクを認識し、防災・減災対策の第一歩として取り組むための計画です。

この計画には、現在および将来的に行う災害対策が記載されます。



対象企業

主に中小企業や小規模企業が対象で、自然災害や感染症などの不測の事態に備えるための計画です。



認定制度

経済産業大臣が中小企業の防災・減災の事前対策計画を「事業継続力強化計画」として認定する制度です。

認定を受けることで、税制優遇や補助金の加点などの支援策を活用できます。



BCP(事業継続計画)との違い

事業継続力強化計画は、BCP(事業継続計画)よりも簡易に策定できる中小企業向けの計画です。

BCPはより詳細な準備が必要ですが、事業継続力強化計画はA4用紙5枚程度で申請が可能です。



※BCPは、Business Continuity Planの略。

企業や組織が予期せぬ危機に直面した時のための戦略的な準備計画です。

自然災害、人為的な脅威、技術的な問題などが発生しても、核心的な事業活動を維持し、被害を可能な限り抑制し、迅速な回復を実現することを目的としています。

この計画は、組織の存続と顧客サービスの継続性を確保するための具体的な指針と手順を提供します。

BCPには認定制度はありません。事業継続力強化計画は、中小企業にとっては、BCPの簡易版という位置づけになります





なぜ中小企業にとって重要なのか

 

リスクの多様化と増大:

自然災害、サイバー攻撃、パンデミックなど、現代のビジネス環境は多様なリスクにさらされています。

特に中小企業は、大企業に比べてリソースが限られているため、一度の大きなリスクが致命的な打撃となる可能性があります。



顧客信頼の維持:

緊急事態に迅速かつ適切に対応できる企業は、顧客からの信頼を維持しやすくなります。

逆に、対応が遅れたり不十分だったりすると、顧客離れが進むリスクがあります。



法的・規制的要件の遵守:

一部の業界では、事業継続計画の策定が法的に義務付けられている場合があります。

また、政府や自治体からの支援を受けるためには、事業継続計画の策定が条件となることもあります。





中小企業が事業継続力強化計画を策定しない理由

 

多くの中小企業が事業継続力強化計画を策定しない理由として、以下の点が挙げられます。


  1. リソースの不足

    人手や資金が限られているため、BCPの策定に時間を割くことが難しい。


  2. 認識不足

    事業継続力強化計画の重要性を理解していない、または「自社には関係ない」と考えている。


  3. 情報の不足:事業継続力強化計画の具体的な策定方法や成功事例についての情報が不足している。





事業継続力強化計画の策定ステップ

 

1.目的設定:

「何のために計画を策定するのか」という目的を設定します。

従業員や家族、取引先、地域の人々を守る。という観点から、作成していきます。



2.リスクの想定:

ハザードマップを活用してリスクを確認します。

「ヒト・モノ・カネ・情報」のそれぞれについて、どのような被害が考えられるかを列挙していきます。



3.初動対応の検討:

災害発生時の初動対応を計画します。

従業員の避難方法、安否確認など、人命に関わる部分について明確化します。



4.各種経営資源への対応:

事前に実施できる対策を記載します。

「ヒト・モノ・カネ・情報」に対する具体的な取組を記載していきます。



5.通常時の推進体制:

事業継続力強化計画では、平時からの取組が重視されているため、定期的な訓練や計画の見直しを行う体制を整備します。





推進のためのアドバイス

 

経営層のコミットメント

事業継続力強化計画の策定には、経営層の強いコミットメントが不可欠です。

経営者自らがリーダーシップを発揮し、全社的な取り組みとして推進することが重要です。


専門家の活用

自社内でのリソースが限られている場合は、外部の専門家やコンサルタントを活用することを検討してください。

中小企業診断士やBCPの専門家は、計画策定のプロセスを効率的に進めるためのサポートを提供します。


従業員の意識向上

従業員全員が事業継続力強化計画の重要性を理解し、緊急時に適切に行動できるようにするための教育と訓練を実施しましょう。

これにより、計画の実効性が高まります。


定期的な見直しと更新

事業環境やリスクは常に変化します。

定期的に計画を見直し、最新の情報や状況に基づいて更新することが重要です。





まとめ

 

事業継続力強化計画は単なる危機管理だけでなく、企業の競争力向上にも寄与します。


事業継続力が高い企業は顧客から信頼されやすく、市場での優位性を確保できます。


また、従業員にとっても安心して働ける環境が整うため、人材確保や育成にもプラスとなります。


今すぐ行動を起こし、自社の事業継続力強化計画策定に取り組んでみてください。


あなたの会社と地域社会の未来を守るために、一歩踏み出すことが大切です。


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